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本日(2016年2月4日)ニュージーランドで12か国がTPPの署名式で署名を行いました。この後、各国は議会で承認を得て発効に至るそうです。

すでに各国で議会を通過する前に、署名を済ませてしまうところなど、すでに決まったシナリオに向けて進められているようにみえます。
しかし、TPP交渉を行っている国のほとんど、マレーシア、ニュージーランド、ペルー、カナダ、チリ、オーストラリア、アメリカ、日本では、国民がTPPに反対してデモを起こしています。

秘密裏に進められた協定と危険なISD条項

TPPは5年以上審議してきたと言われますが、TPPの協定文書が公開されたのは2015年11月5日でした。膨大な1500ページ超にも及ぶ文書で、農業、医療、金融、知財、労働条件など、私達の生活に直接関わる内容が、ほぼ決められてから公開されたという異常な事態です。特にISD条項という投資家が自分たちの利益にそぐわない場合に、国や自治体を訴えることができる制度によって、国民の利益よりも、企業の利益が優先されてしまう懸念があります。

TPP批准、発効までの時は迫る

TPPの発効は、全ての参加国が国内手続きを経るのが原則だ。ただし、2年以内に終えられない場合は、「GDPで全体の85%以上を占める6か国以上」の批准で発効できる。できるだけ早く発効させるための規定だが、12か国全体のGDPの約6割を占める米国と、2割弱の日本の両国の承認が不可欠になる。
読売新聞
2年以内に米国と日本の議会で承認しなければ、TPPは発効できません。

私達のこれまでの社会が向かっている先が、TPPによって支配される社会です。これは大企業に利益をもたらします。自分たちの企業がいかに利益を得て、競争に勝ち残っていくか。その先に人々の幸せは考えられていません。私たちはその考え方で突き進む人に迎合するのか、仕方なしと見過ごすのか、反対の意志を示していくのか。私たちのみならず、子どもたちのこれからにも関わる問題です。私たちは今、社会の重要な価値観の岐路に立ち、問われています。

TPP後にどうなる?世界で起きた事実

TPPが締結されるとどうなるのか、過去の貿易協定後の世界の事実を見てみましょう。

■メキシコのNAFTA(北米自由貿易協定)

メキシコはアメリカと25年前にNAFTAを結びました。この協定は企業やエリートには利益をもたらしましたが、メキシコの農家や製造業は職を失いました。安価な農産物が大量にメキシコに入り、農業は破壊され、輸入量はトウモロコシの33%、米の75%、大豆の90%に及びます。牛肉に至っては3年間で4.4倍に増やされました。NAFTAの前には100%自給していた主食のトウモロコシを33%輸入させられてしまいました。アメリカの巨大な多国籍企業が農業に参入し、メキシコ人は仕事を失っていきました。

「政府は、NAFTAによってどういう影響があるのか、情報を公開しなかった」「だまされた」。視察メンバー歓迎のため、メキシコシティに集まった農民や先住民族組織の代表たちは、口ぐちにNAFTAに参加したときの実情を話す。「メキシコの農業は強くなったので、もう国の保護はいらない。アメリカ、カナダの農業と十分対抗できる」と、たくみに自尊心をくすぐられたと自嘲気味に話す人もいた。・・・そしてメキシコに貧困が生まれた。

さらにNAFTAのISD条項による訴訟で、次のようなことがありました。アメリカ企業のメタルクラッド社がメキシコ政府から廃棄物の処理施設をつくる許可を得ました。ところが、そこから出てきた有害物質が近隣の飲料水を汚染し、多くの病人が出ました。そのため、地方公共団体がその施設の建設を不許可としました。市民のことを考えれば当然の対応です。しかしメタルクラッド社がアメリカの仲裁裁判所に訴え、メキシコ政府は1700万ドルを払わされたのです。

■米韓FTA

韓国ではTPPと同じような条約であるFTAに合意した結果、2012年から発効されました。たとえば米国産チェリーに24%かけていた関税が0%になりました。チェリーの輸入量は4,982t(2011年)から1万3,359t(2014年)に3倍近く増加し、衝撃は韓国の果物全般に広がりました。実際、チェリーの関税24%が撤廃されても、消費者の購入価格はほとんど安くなりませんでした。国家の関税収入がなくなったうえ、その利益は流通業者が持って行ったのです。

日本の農業

日本の小さな農家は、巨大な資本を元に安く買いたたかれるようになったらひとたまりもありません。大規模に法人化し、利益を追求した農業をするところだけが残るようになっていくでしょう。

アメリカではすでにそのように企業が経営を行っています。大手企業が農業を行っており、利益を追求する中で遺伝子組み換え作物を栽培します。アメリカ市民のほとんどが遺伝子組み換え作物に反対しながらも、大手企業の取り組みを止めることができないでいます。

規制が緩和され、このような巨大資本が入り込んで来たら、日本の消費者が遺伝子組み換えに反対したとしても、遺伝子組み換え表示を外された商品が店頭に並ぶのは時間の問題です。遺伝子組み換え作物の栽培を政策として拒否すればISD条項で訴えられかねないので、止める手段がなくなります。

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反対報道しないメディア

日本のテレビ局、大手新聞社は外資の資本率が高く、放送内容に関して圧力がかけられるため、TPPに不利な報道をしません。海外では多くのメディアでデモなどを報道している事実があるにも関わらずです。 次の数字は、主要テレビ局の外資の資本の割合を示しています。
・フジテレビ 29.8%(外資が2,3位)
・TBS 13.5%(上位2社が外資)
・日本テレビ 21.9%
・テレビ朝日 12.5%
・電通 19.6%(筆頭株主は外資)

日本の医療

医療の面でも海外から割高の新薬が増大しています。医療費40兆円のうち、4分の1が薬代になっています。日本の健康保険制度で消費者が払う金額からは見えにくいだけに、法外な値段の薬を買わされる可能性もあります。健康保険制度はつぶれ、アメリカのように各自が保険会社に入らなければ医療を受けられないという事態になりかねません。アメリカで貧困者が5000万人いるという情報がありますが、アメリカの自己破産原因の5割が医療費だそうです。

国を奪われたインディアン

かつて白人たちが、アメリカのインディアンから土地を奪うときに使った手段は次のような方法でした。インディアンのよくわからない契約書に、酒に酔わせて無理矢理署名させ、合法的といって騙し、脅して次々にインディアンの土地を収奪しました。 ハワイの先住民が子孫たちに向けて契約書に署名をしてはいけないと警告の歌を残しています。
誉れ高きハワイの花よ 子孫よ
忠誠を誓いなさい 土地に忠実でありなさい
悪魔の使いがやってきた 貪欲な脅迫状をもって
・・・
だれも手を触れたり署名してはいけない 敵の提案した書類など
我々の土地を取り戻そう ハワイ人の尊厳と権利を取り戻そう
我々は惜しいとは思わない 政府の大金などは
我々の祖国の石 昔からの食物で我慢しよう
・・・

正義がまかり通る世の中へ

これまではマスコミに作られている「世の中はこう」という幻想にほとんどの人がとらわれていました。自分の本心としては納得できないけれど、世の中の流れがこうだから仕方がない、そのように流れに身を任せていたら取り返しのつかないことになります。国民を情報操作し、それに流される多くの人々によって現在の流れができているとも言えます。マスコミの情報に人々がなびかなければ、流れをつくり出すことはできません。

すでにマスコミの意見に揺れない人々が次々と公に行動しています。これからはそのような人々で手を取り合い、正義がまかり通る世の中になっていきます。一刻も早くマスコミに植え付けられている価値観から抜け出し、真実を求めて動き出す時です。