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残虐テロ組織としてメディアを騒がせているISIS。作為的に引き起こされた混乱によって、多くの命が奪われています。この問題はここ数年で始まったものではなく、長年にわたる子供の教育が大きく影響しているようです。ISIS問題の根を追っていきたいと思います。

ISISの背後には、イスラエル、アメリカからの資金援助

シリアに本拠地を置き、アメリカが何度空爆しても捉えきれないというISIS。しかし、一方で、イスラエル、アメリカから潤沢な資金援助を受けていると言われています。

ISISの別称は"ISRAELI SECRET INTELLIGENCE SERVICE"。イスラエルは国家存続のため、アラブ諸国にスパイを送り込んでいます。ISISの指導者アブ・バクル・バグダディはユダヤ人で、長年にわたってイスラエルの諜報機関「モサド」で訓練を受けてきた人物です。ネット上では、彼とアメリカ高官が親しげにうつっている写真が出回っています。

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バグダディとアメリカのマケインが親しげに並んでいる写真

脚色された軍隊

ISISの広報誌「DABIQ」には、覆面姿のISIS戦闘員がセンス良く掲載されています。アラブ人男性の平均身長を上回り、立派な戦闘服や武器が支給されています。

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広報誌「DABIQ」のみならずインターネット、SNSを駆使した情報戦略は、多額の資金を受けた広告代理店の手法に違いありません。

ISISの存在が拡大すると、中東情勢は悪化します。そして紛争が激化するほど、ユダヤロビーが牛耳るアメリカの軍産複合体が潤います。アメリカからイスラエルへの支援金も拡大します。いつの世にも"死の商人"たちは抜け目がありません。

豊富な資金を元に、ISISには2万人以上の志願兵が集まってきていると言います。

ISISのルーツ、タリバン

ISISが登場したのはここ数年ですが、以前からテロ組織に所属していた者たちが流れてきました。その一つがタリバンです。

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タリバンとは、1994年、度重なるアフガニスタンの内戦の後、軍閥たちによる暴行、略奪など、住民たちが絶望感を抱いていたところへ、治安と秩序をもたらすために立ち上がった組織です。当初は住民たちに歓迎されましたが、イスラム教の戒律を極端に適用し、服装の規制、音楽や写真の禁止、娯楽の禁止、女子の教育の禁止などを強制していくに従って、住民たちはタリバンに失望するようになりました。

現在のISISの20~30代の兵士たちが、青年期の教育を受けていた時期と重なります。

背景にある貧困

アフガニスタンでは1家族に子供が10~20人いることがよくあります。貧しい夫婦も子供を産み続け、支援体制がありません。いまや、アフガニスタン全土の道端で、物乞いをする子供が、1万人は下らないと言います。食べ物すら満足に与えられず、放置せざるをえない親が多いそうです。そのように物乞いをするしかない少年少女たちに用意されている選択肢は、テロ組織に所属するか、泥棒をするか、売春婦になるという道です。

戦争はお金を稼ぐ手段

なぜ同じアフガニスタン人同士、ムスリム同士が争い合わなければならないのでしょうか?テロ組織に育てられた人々は「なぜ戦うのか」ということを考えません。公務員の月給が500円に満たないのに、兵士になって前線で戦えば10,000円、約20倍もの賃金が支給されます。彼らにとって戦争とは、お金を稼ぐための手段なのです。

80%の人は読み書きができない

現在、アフガニスタンでは約80%の人々は読み書きができません。従って彼らは自国の歴史を知ることもできません。法を学び、横暴な支配者に抵抗したり、現状を文章に記して発信することもできません。

十分な愛を受けられない

現在のタリバン世代は、戦争の中で育った世代です。幼い頃から孤児として、銃弾や墜落した軍用機の破片を集めて売り歩きます。そして、死や残虐な行いと常に隣り合わせに生きています。彼らは、両親や人々から十分な愛を受けずに育ちました。

テロリストを養成する神学校

タリバンの構成要員は、ペシャワール周辺の神学校出身者の集団と言われています。神学校を装って、貧しい難民の子供たちを集めて、テロリストを養成しているところもあるそうです。

難民キャンプの一角にある一般的な神学校は、黒板もノートも鉛筆もない、なんとも質素なものでした。子供たちに将来の夢を問うと、医師や教師になって祖国アフガニスタンの再建に役立ちたいと答えました。
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一方、神学校に装ってテロリストを養成しているところでは、どこから資金が出ているのかは不明ですが、食事、学費は無料、設備もしっかりと整えられていました。一般的な神学校よりはるかに立派で、石の床が広がり、そこで大勢の子供たちが学んでいました。

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ここではイスラム教の戒律を極端に適用し、14歳から18歳まではアフガニスタン内の軍事基地で訓練して、テロリストに育てています。彼らは「聖戦は我々の義務だ」と教えられます。親が2つの神学校の違いを知らず、食事まで無料だからとテロリストを養成する神学校に子供を通わせてしまうのです。

ISISの子供の教育

現在、ISISで育てられている子供は、子供の頃から残虐な処刑の映像を見せられ、自爆テロを美徳として教わっています。

将来に希望が持てない若者たちの閉塞感につけ込み、革命を起こすよう扇動し、自爆テロを使命と思い込ませる心理操作をされています。

両親や人々から十分な愛を受けずに育ち、「ISISを守るためには異教徒を殺す必要がある」と教え込まれて育った人々が、自分の利益しか考えない人々に都合良く使われてしまっているという現実があります。

私たちがこれからどのような世界を作って行きたいのか。それは大人たちが子供たちになにを教え、どのように育てていくかにかかっています。


参考文献:イスラム国 残虐支配の真実(2015年)双葉社、大高未貴著